Feb 08, 2016

趣味レーター ハンドルは切り足さずブレーキで曲げる?!

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ブレーキの使い方が一番違うと思うまるそうデス。にゅるり大事。

 というわけで、縦G横Gに加えてタイヤ限界も体感できちゃうドライビングシミュレーター 趣味レータータイムアタックランキング1〜2月編にテコ入れ(笑)です。

 今回の予備予選であるVits君ですが、NAでFFなトヨタの小型車です。そのため全般的な振る舞いはアンダーに仕付けられており、旋回速度を大きくしづらい車ともいえます。

 そんな車をどう曲げたらいいか、というのが今回のテーマです。

 画像は2本x4種類のグラフになっています。緑と赤がそれぞれ別の人のドライビングを示しており、横軸は時間です。項目の内容は一番上が車速、2段目がブレーキを踏む力、3段目がハンドルの切り角、最後がヨーレートです。

 ヨーレートとは車がどれぐらい曲がったかを示す数値だと思ってください。

 ちなみに、TC2000の1〜2コーナーの部分をクローズアップしています。

 もっとも見て欲しいのが、ちょうど青い縦線のある前後の部分でしょうか?。ここで赤はズバンとすばやくステアリングを切り込んでいることが判ります。最終的にはハンドルがロックするところまで右に回しきっています。ステアリングを切ったら車に曲がる力=ヨーレートが発生するハズ!。

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 しかし、この緑縦線の部分までハンドルを切って、やっと赤車と緑車のヨーレートが同じぐらいに。ちなみにこの時点で、赤車は緑車の倍ぐらいハンドルを切っています。

 さらに、その先、フルロックまでハンドルを切り足したハズの赤車のヨーレートと、緑車のヨーレート、それほど大きく差が生まれません。

 これは大きく二つの原因に由来します。ひとつはスリップアングル。もうひとつは縦横の足し算です。
,bR>  ひとつめの原因はヨーレートに対するスリップアングルに限界があるということです。スリップアングルとは車の進行方向とタイヤの向きのズレというとわかりやすいでしょうか?。

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 最初はスリップアングルが増えるにつれ、ヨーレートも増えていきます。しかし、ハイグリップスポーツタイヤなら10〜20度、町乗り用タイヤに至っては4〜8度程度でヨーレートは最大値を迎え、それ以降は逆に下がっていきます。

 すなわち、ハンドルを切るほどに曲がる力は失われていくのです。

 なので、スポーツ走行においてはスリップアングルを意識し、ヨーレートが最大値を迎える角度以上はスリップアングルをつけない事が重要になります。

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 赤縦ラインの位置を見ていただくと、赤車はロックまでハンドルを切りきっているのに対して、緑車はその2/3程度。にもかかわらず、ヨーレートは緑車の方が出ているという事からも、ハンドルの切りすぎはネガティブだと判るでしょう。

 もうひとつの原因は、タイヤが使えるグリップの上限は、縦グリップと横グリップを合成したものに課されるということです。今回のケースならブレーキング方向の力と、曲がる方向の力を足し算して100までしか使えないということ。

 ブレーキングにタイヤの100%を使っているなら、ハンドルを切っても曲がる力はほとんど発生しません。逆に100%曲がる力に使っているなら、可減速をすると曲がる力は失われるということ。

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 同じグラフで恐縮ですが、ブレーキ圧に着目すると、青縦線のあるところで赤車はブレーキ圧がMAXになっています。ブレーキ圧MAX=タイヤの100%というワケではありませんが、ブレーキは車の中でもっとも強力な力のため他の機能を上回って働くことがほとんどです。

 そのため、赤車はブレーキがMAXに至ると同時にハンドルを切り足しているにもかかわらず、ヨーレートがほぼ横ばいになります。これがブレーキにタイヤのグリップを使い切られており、ステアリング操作が無視される状態です。

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 で、緑縦線に至り、赤車のブレーキが緩むとタイヤに余力ができるので、ヨーレートが増えます。

 つまり、フルブレーキング中にはハンドルは効き辛いことを意識する必要があります。極論すれば、ブレーキを戻さなければハンドルは効かない、ともいえるでしょうか。

 これは減速だけではなく、加速方向についても言えることです。横方向にタイヤを使いきっている状態なら、加速すると横方向の力が失われてしまいます。

 これを操作に落とし込むと、ハンドルを切るのはブレーキをゆるめた分だけ、アクセルを踏むのはハンドルを戻した分だけ、という意識が大事になってきます。

 しかも、コレ、複合して現れることが多いです。

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 縦青と縦緑の間は、ブレーキでグリップを使いきってステアリングが無視されてしまっています。この曲がらない期間にあせってステアリングを切ると、スリップアングル限界を超えてしまいます。すると、その先のブレーキが緩んでからも、ヨーレートの発生がなだらかに(涙)。その上、スリップアングル限界を超えるとセルフステア(ハンドルが中立に戻ろうとする力)も減ってしまう上、ハンドルの切り量が増えすぎているので、戻す作業が追いつかずにオツリを貰う、という事態に・・・。

 タイムアタックを意識すると、どうしてもブレーキングで突っ込みすぎて、アクセルONでアンダーをこじりながら走らせる、というスタイルになりがちです。しかし、物理を超えて走ることはできませんので、限界値を見据えたドライビングが必要になってきます。

 ぜひ、スリップアングルと縦横の足し算を意識して趣味レーターに乗ってみて頂けると、より実りが多くなるかと思います♪。



 ちなみに、加重によるタイヤグリップ限界自体の変動や、操作に対する挙動の遅れなどもあるので、上記のとおりダケではうまくいかない事もあるのが悩ましいところです〜。
Posted at 18:42 in Sym | Comment () | Edit
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